お面ウォーカー(大人ノベル版)
第9章 勝重からのプレゼント
ふと、何気に店の時計に目を移す。
「……っ!」
電車を二本逃していることに気がついた。
良夫は、忘れてシラを切るという選択肢を選んだ。
会社に行けば、シラを切る余裕もなく、事務室で勝重の前に立たされて、説教を受ける。
「田中くん、困るんだよ。遅れるなら遅れると、連絡の一本でもくれないと、工場が流れないんだよ。それでなくても、注文がたまってんだよ。しかも、急ぐ様子もなく堂々と、胸張って歩いてきて、タイムレコーダーに赤ペンで遅刻って書いて、僕の顔見たら謝ることなく、『おっす、元気でやっとるか!』て、反省しなさいよ。てか、なにをやってたんですか? それをまず聞かせて欲しい」
勝重が呆れ顔で聞くと、良夫は、視線を上に向け、
「はい! 私、記者の方から連絡を受けて、プロの格闘家の方と会って話して欲しいと言われまして、そしたらいきなり直接出会いまして、いろいろとインタビューと相談を受けていたであります!」
「ちょ、ちょ、ちょっと田中くん。どこの記者よ。てか、なんであんたが、プロ格闘家からインタビュー受けるの。あり得ないでしょ」
「一部誇張いたしましたが、事実でありまする隊長」
「誰が隊長だ! もう、いい。これから気をつけて。わかったね」
「て、ことは、もう帰っていいんでしょうか」
「仕事しろ! あのな、長谷川くんがあんたの機械も動かしてなんとかやってくれてんだよ! さっさと行って!」
「長谷川さんがやってんだ。だったらなんとかなるんじゃない?」
「……っ!」
電車を二本逃していることに気がついた。
良夫は、忘れてシラを切るという選択肢を選んだ。
会社に行けば、シラを切る余裕もなく、事務室で勝重の前に立たされて、説教を受ける。
「田中くん、困るんだよ。遅れるなら遅れると、連絡の一本でもくれないと、工場が流れないんだよ。それでなくても、注文がたまってんだよ。しかも、急ぐ様子もなく堂々と、胸張って歩いてきて、タイムレコーダーに赤ペンで遅刻って書いて、僕の顔見たら謝ることなく、『おっす、元気でやっとるか!』て、反省しなさいよ。てか、なにをやってたんですか? それをまず聞かせて欲しい」
勝重が呆れ顔で聞くと、良夫は、視線を上に向け、
「はい! 私、記者の方から連絡を受けて、プロの格闘家の方と会って話して欲しいと言われまして、そしたらいきなり直接出会いまして、いろいろとインタビューと相談を受けていたであります!」
「ちょ、ちょ、ちょっと田中くん。どこの記者よ。てか、なんであんたが、プロ格闘家からインタビュー受けるの。あり得ないでしょ」
「一部誇張いたしましたが、事実でありまする隊長」
「誰が隊長だ! もう、いい。これから気をつけて。わかったね」
「て、ことは、もう帰っていいんでしょうか」
「仕事しろ! あのな、長谷川くんがあんたの機械も動かしてなんとかやってくれてんだよ! さっさと行って!」
「長谷川さんがやってんだ。だったらなんとかなるんじゃない?」