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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第3章 ケータイ地域ニュース速報。

……といったことがあったのを、駅の改札を出てから思い出した。

「クソ、なにが厄除けや。厄しかあらへんがな」

上着の内側ににあるお面を、コツコツと拳で小突く。

しかも、新婚旅行の土産というのが鼻につく。話を聞くと、妬み嫉みが湧き上がる。

良夫は生まれてから現在に至るまで、女性という生き物と付き合ったことがない。

とはいっても、童貞ってことはない。三十代に、安いデリヘルを頼んだら顔を正面からフライパンで殴られたような、六十近いくらいのおばちゃんがやってきて、頼んでもいないのに、向こうから本番サービスをつけてきた。

「あの時はどうかしてたんだ……」

顔さえ見なければ、ボディはよかった。ちょっと色気ある年増の女優と俺はやっているんだと、何度も自分に暗示をかけ潜在意識にすり込んだ。

セイウチのような喘ぎ声は、床がきしむ音なんだと、自分に言い聞かせ、崖っぷちまで己を追い込んだ。

「そうだよ、俺だって大人の男だからよぉ……そこに愛がないだけやし」

ブツブツと言ってる間に、会社についた。

「滝プラ工業」

会社の看板を見ると、なぜか冷たい風が、頬を撫でる。

「寒っ! 仕事したくねぇ……」

ふと、入り口の横に目を向ける。自動販売機と丸いテーブルがある。勝重がお面を持ってきた場所だ。

ムカムカムカムカァーとなにかが煮えたぎる。





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