お面ウォーカー(大人ノベル版)
第4章 逃げられねぇ
新聞紙に巻き付いた、ガムテープを剥がそうとした時、ホームに音楽が流れる。
パァーンという警笛の音が鳴り、ホームに電車が入ってきた。
「えっ! ちょっと、ちょっと待って」
予定より、五分も早く電車が入ってきた。
ならば、良夫にとっては、この電車に乗った方が少しでも早く帰れる。
そして、電車は止まり、扉が開く。
「え、なんでこんな早く電車が来るの?」
それに清掃員が答えた。
「ああ、踏切の点検かなんかで、一本前の電車が遅れて入ってきとるんだ。なんか、今日はいろいろあるなぁ。朝、スリが捕まったし」
「あ、そうすか」特に理由は興味なかった。わかったのは、いまホームに入ってきたのは、一本前の電車だったということ。
だが、お面は新聞紙に包まれたままだ。全部剥がして、お面も処分しようと思ったが……、
「ああぁ、もういい!」
良夫は、電車に飛び乗った。
車内はそれほど混んではいないが、空いている席はなかった。
出来るなら、少しでも早く帰りたい。その気持ちが強く出たからか、結局、お面は手に持ったままだ。
「なんだよこれ……タイミングが悪いよ」
とは、言うものの、新聞紙を剥がさなければ、お面の付着は免れる。
良夫は、このまま新聞紙に包まれたまま、袋に入れておこうと思った。
無事にアパートに帰ってきた。
「はぁぁ~、なんか一日が長かったなぁ。そう言えば、今朝、ここでなんかあったとか言ってたな」
実の娘が介護にストレスを感じ、殺人未遂を起こしたという事件だが、良夫は自分がそれを防いだとは思ってはいなかった。
パァーンという警笛の音が鳴り、ホームに電車が入ってきた。
「えっ! ちょっと、ちょっと待って」
予定より、五分も早く電車が入ってきた。
ならば、良夫にとっては、この電車に乗った方が少しでも早く帰れる。
そして、電車は止まり、扉が開く。
「え、なんでこんな早く電車が来るの?」
それに清掃員が答えた。
「ああ、踏切の点検かなんかで、一本前の電車が遅れて入ってきとるんだ。なんか、今日はいろいろあるなぁ。朝、スリが捕まったし」
「あ、そうすか」特に理由は興味なかった。わかったのは、いまホームに入ってきたのは、一本前の電車だったということ。
だが、お面は新聞紙に包まれたままだ。全部剥がして、お面も処分しようと思ったが……、
「ああぁ、もういい!」
良夫は、電車に飛び乗った。
車内はそれほど混んではいないが、空いている席はなかった。
出来るなら、少しでも早く帰りたい。その気持ちが強く出たからか、結局、お面は手に持ったままだ。
「なんだよこれ……タイミングが悪いよ」
とは、言うものの、新聞紙を剥がさなければ、お面の付着は免れる。
良夫は、このまま新聞紙に包まれたまま、袋に入れておこうと思った。
無事にアパートに帰ってきた。
「はぁぁ~、なんか一日が長かったなぁ。そう言えば、今朝、ここでなんかあったとか言ってたな」
実の娘が介護にストレスを感じ、殺人未遂を起こしたという事件だが、良夫は自分がそれを防いだとは思ってはいなかった。