お面ウォーカー(大人ノベル版)
第4章 逃げられねぇ
「今日の晩飯はカップ麺と、缶チューハイと」
野球の放送が始まるまで、部屋の暖房をつけ、電気ポットでお湯を沸かす。
小さな冷蔵庫を開け、中から缶チューハイを取り出す。
「あと、2本しかないか……ま、飲むか」
寒い中であっても、冷えた缶チューハイは美味い。
クイッと空きっ腹に、流し込む。
冷たくて寒いと思うより、「ウメェーッ!」の方が強かった。
暖房が効いてきた。久しぶりに部屋着に着替えようかと、押し入れを開ける。
すると、中から1匹のネズミが飛び出してきた。
普段は、ゴキブリや小動物が出てきても、それほど驚くような男ではないが、急に飛び出してきたネズミに対し、良夫は大きく驚いた。
「うわ、ビックリした!」
しかも、急な動きに40代の体は反応せず、足がもつれ、思わず後ろに倒れそうになった。
咄嗟に、こたつに手をおいて、床に膝をつき、体を後ろに反らした状態で持ちこたえたが、手を置いた位置が悪かった。
手を置いたのが、裏向きになったお面の端っこだった。
跳ねたお面は、体を反らした良夫の顔に回転しながらのった。
「えっ!?」
しかも、お面は上下逆についた。
またもや、ピッタリとくっついてしまい、なおかつ、見えにくい。お面の口元が眉間にきているため、視界が悪い。
「嘘だろ、クソっ! 今日で、何回目やねんなぁっ!!」
予測計算上、約10分ほどでお面は取れるはず。
落ち着いていたら、取れるだろうと思ってはみても、やはり落ち着かない。上下逆であり、もうすぐ野球が始まる。
野球の放送が始まるまで、部屋の暖房をつけ、電気ポットでお湯を沸かす。
小さな冷蔵庫を開け、中から缶チューハイを取り出す。
「あと、2本しかないか……ま、飲むか」
寒い中であっても、冷えた缶チューハイは美味い。
クイッと空きっ腹に、流し込む。
冷たくて寒いと思うより、「ウメェーッ!」の方が強かった。
暖房が効いてきた。久しぶりに部屋着に着替えようかと、押し入れを開ける。
すると、中から1匹のネズミが飛び出してきた。
普段は、ゴキブリや小動物が出てきても、それほど驚くような男ではないが、急に飛び出してきたネズミに対し、良夫は大きく驚いた。
「うわ、ビックリした!」
しかも、急な動きに40代の体は反応せず、足がもつれ、思わず後ろに倒れそうになった。
咄嗟に、こたつに手をおいて、床に膝をつき、体を後ろに反らした状態で持ちこたえたが、手を置いた位置が悪かった。
手を置いたのが、裏向きになったお面の端っこだった。
跳ねたお面は、体を反らした良夫の顔に回転しながらのった。
「えっ!?」
しかも、お面は上下逆についた。
またもや、ピッタリとくっついてしまい、なおかつ、見えにくい。お面の口元が眉間にきているため、視界が悪い。
「嘘だろ、クソっ! 今日で、何回目やねんなぁっ!!」
予測計算上、約10分ほどでお面は取れるはず。
落ち着いていたら、取れるだろうと思ってはみても、やはり落ち着かない。上下逆であり、もうすぐ野球が始まる。