お面ウォーカー(大人ノベル版)
第4章 逃げられねぇ
しかも、なにやら顔がゴソゴソとする。
「なんやねんなこれ……」
チラッと視界に、長細い物が見えた。
「え、ちょっと待て、これ……」
ネズミの尻尾だ。
「どわ! やめろっ!」
ネズミは良夫の顔とお面とのわずかな隙間で、ゴソゴソと動き回っていた。
早くお面の隙間から出て行けと、良夫は見えにくい状況で窓を開け、顔を外に出した。
ネズミは、鼻の横から逆さまになったお面の口まで上がり、ひょこっと顔を出した。
お面は外れる様子はなく、良夫は、早くネズミを出そうと空いてるお面の穴から指を入れる。
「早くそこから出て行け、こらぁっ!!」と怒鳴ると、ネズミはその声に驚いて飛び出した。
ネズミは、真っ逆さまに落ちていく。
アパートの裏側には、駐車場があった。
なぜかそこから、
「ひいっ!」と悲鳴が聞こえた。
お面の隙間から微かに見えるのは、駐車場の出入り口から体をあちこち擦りながら走り去る男の姿だった。
お面からネズミが出た。まず、それだけで力が抜け、窓を開けたまま、座り込む。
駐車場には、二階の窓を見上げる女性がいた。彼女の足元には……、
男が手放していったと思われる、小型のナイフが落ちていた。
良夫の顔から、お面が落ちた。
窓を閉め、缶チューハイを飲んだあと、良夫は、顔と手を念入りに洗った。ついでに、なぜかお面も……。
ネズミは、隣の部屋に住む男性がオオトカゲを飼っており、餌用として繁殖させていたハツカネズミが、1匹逃げたものだった。
「なんやねんなこれ……」
チラッと視界に、長細い物が見えた。
「え、ちょっと待て、これ……」
ネズミの尻尾だ。
「どわ! やめろっ!」
ネズミは良夫の顔とお面とのわずかな隙間で、ゴソゴソと動き回っていた。
早くお面の隙間から出て行けと、良夫は見えにくい状況で窓を開け、顔を外に出した。
ネズミは、鼻の横から逆さまになったお面の口まで上がり、ひょこっと顔を出した。
お面は外れる様子はなく、良夫は、早くネズミを出そうと空いてるお面の穴から指を入れる。
「早くそこから出て行け、こらぁっ!!」と怒鳴ると、ネズミはその声に驚いて飛び出した。
ネズミは、真っ逆さまに落ちていく。
アパートの裏側には、駐車場があった。
なぜかそこから、
「ひいっ!」と悲鳴が聞こえた。
お面の隙間から微かに見えるのは、駐車場の出入り口から体をあちこち擦りながら走り去る男の姿だった。
お面からネズミが出た。まず、それだけで力が抜け、窓を開けたまま、座り込む。
駐車場には、二階の窓を見上げる女性がいた。彼女の足元には……、
男が手放していったと思われる、小型のナイフが落ちていた。
良夫の顔から、お面が落ちた。
窓を閉め、缶チューハイを飲んだあと、良夫は、顔と手を念入りに洗った。ついでに、なぜかお面も……。
ネズミは、隣の部屋に住む男性がオオトカゲを飼っており、餌用として繁殖させていたハツカネズミが、1匹逃げたものだった。