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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第5章 その顔で歩く

良夫は、テーブルの上のスパゲティを指差し、

「え、なにこれ?」

「お客さんが、さっきパスタのアルデンテっておっしゃってたので、ナポリタンになるんですけど」

どうやら、店のおばちゃんは注文と勘違いしたようだ。

「いや、頼んでないよ。それに居酒屋でナポリタンて……てか、注文聞いて出すの早いですね」

長谷川はナポリタンの皿を、手前に引き寄せ、「なんなら俺が食べる。これ、ナンボや?」と聞いた。

おばちゃんは笑いながら、

「350京」

「ぼったくりすぎるわ~。兆超えてきたで」と長谷川は国も払わない金額に笑いながら、箸でパスタを食べる。

良夫は、ビールをグラスに注ぎ、グイっと喉に流し込む。

「長谷川さんは、最近なんかおもろい夢は見た?」と逆に聞いてみた。

長谷川は、腕組みをして考える。

「そうだなぁ、面白いと言うか……なんか、大きな栗の木の下でとかいう童謡で、大きな栗の、木の下なのか、大きな栗の木の、下なのかを会議で討論する夢を見たな」

「なんすかそれ? 実の方が大きいのか、木の方が大きいのかって話ですよね。それでどんな結果になったの?」

「後に、マロングラッセとモンブランが出て来て、美味しく食っただけと言うね」

「結論出てないんかい」

良夫はまたビールを、グイっと飲む。

すると、店のおばちゃんがやってきて、

「はい、マロングラッセとモンブランお待ち~」

「いや、あるんかい!! てか、喫茶店かここ?」







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