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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第5章 その顔で歩く

ショーゲン・パル・プンテという窃盗犯の男は、近くの女性宅に盗みに入ったあと、女性に暴行を加えて逃走。女性は警察に通報。

男は隠れながら逃げている途中で、自分の名前を呼ぶ良夫に遭遇。
怪訝に思いつつも、良夫が一人だということを確認し、なぜ自分の名前を呼ぶのかを問い詰めようと思った。

相手はなぜか、お面をつけた怪しい男だった。素顔である自分は、顔と名前を知られたと思い、良夫をどこかで始末しようと企んだ。

男は警察官が来たことに動揺し、また相手が逃げたことで油断したため、良夫に投げられてしまった……と供述。

良夫は、男の名前を知っていて呼んだのかという質問に対し、イタリア料理の看板を見て、アルデンテという言葉は呟いていたがパルプンテとは言っていないと、警察官相手に堂々と誤魔化した。

さらに警察官は、「あの男は、あなたがお面をつけていたと言っていたが……つけていたんですか?」と聞いた。

「あ、はぁ、あの、ちょっと前にお酒を飲んでまして……お面を貰ったし、ひと気がないから、恥ずかしくないかなと、おもいきって顔に……て、怪しいですよね」

「そうですか……まあ、確かに、怪しく見られますな。最近、この辺りも物騒になってきてます。充分にお気をつけ下さい」と言って、警察官は去っていった。

良夫は、緊張のあまり、力が抜けて地面に座り込んでしまう。

「怖かったぁぁぁ~~死ぬか逮捕か、どうなるかと思った~。てか、あの夢は予知夢だったのか? あの顔でバニーのコスチュームて……まあ、あの上からコート一枚じゃあ寒いわ」

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