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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第6章 ヒーローがいるなら、これもいる。

「売れますかねぇ……」

三島くんは、頭を捻る。

「もちろん、一括払いではない。十回払いを可能にするつもりじゃ」

「それでも60万ですよ。買う人いますかねぇ? 学校の部活に使うとしても、600万なんて、出さないでしょ?」

三島くんは、やんわりと高すぎると言いたかった。だが、じじいの漠間も、ふんわりと粘る。

「そこなんじゃよ。それに、素材がなんであり、性能を重視しておる。つまり技術と発想を売るんじゃよ。値段の600万のうちの、半分の300万は技術料だと考えておる」

「ちょ、ちょっと待って下さい……」と三島くんは止める。

「なにかね、児嶋くん?」

「三島です。これは、まだ一体目であります。つまり、試作品の最終段階です。売りに出す前に、レンタルしてみては、いかがでしょう?」

「レンタルじゃと?」

「はい。さすがに、こんな性能のロボットが出来ましたとよ言って、じゃあ、600万でも買いますとはいかないでしょ」

「うむ……」

「博士、これはビジネスです。まずは、消費者目線で考えましょう」

「消費者目線か……」

漠間は考えた。そして、IQ300の頭脳で叩き出した考えの結果……、

「うむ……やっぱり、600万だな」

「四畳半の部屋に閉じ込めてバルサン焚きますよ。博士……とても世界一のIQをもつ天才の結論とは思えませんが……」

「なにを言っておる。金がありそうな、剣道部のある、一流の学校に出向いて、訪問販売をするのだよ」

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