りさと3人のDoctors
第46章 目を覚ましたりさ
「……先生は?」
少しして、りさは部屋に蒼がいないことを思い出した。
「蒼兄は医局にいるよ。会いたい?」
…会いたい。
今すぐにでも会いたいはずなのに、あんなことがあった自分をどう思うのか、体が蒼を拒否したらどうしよう、そんなことを考えると、りさは蒼に会うのが怖かった。
りさは静かに首を横に振る。
「にぃに…、わたし会いたいのに…、先生のこと好きなのに…、好きなのに怖くて…、うぅ、うわ〜ん…」
蓮も、隣にいる楓も、2人ともりさの気持ちが手に取るようにわかり胸が苦しかった。
「大丈夫。りさの気持ちわかってるよ。好きだもんね、好きだから怖いよね。焦らないで、もう少しゆっくり休んでからにしよう、ね。」
しばらく泣き続けて、りさは再び眠りについた。