りさと3人のDoctors
第49章 治療がこわい
またできなかったという罪悪感でりさは涙を流した。
「りさ、泣かないで。また来週頑張ってみよう、ね。」
「先生、ごめんなさい…。」
「こら、謝らない。蓮にも言われたでしょ?先生こそごめんな。今日も痛い思いさせちゃったな。」
蒼の治療を頑張りたいのに頑張れない。
なかなか前に進むことができない治療に、りさは心が折れかけていた。
「先生…?わたしのこと嫌いになってない…?」
「りさ…」
(そうか…、前にもこうやって聞いてきたのは俺のこと好きだったから不安だったんだな…。)
蒼は思わずりさを抱きしめた。
「嫌いになんかなってないよ。いつもりさは頑張っててえらいし、かわいいし、むしろ俺りさのこと好きだよ。」
「ぇ…?」
りさは蒼の好きが本気だとは思ってない。
でも、蒼の口から好きという言葉が出てきただけで、ドキドキでうれしかった。
「せ、先生、苦しい…」
頑張るりさにこんな苦しい思いをさせてると思うと、蒼も胸が苦しくて、思わず勢い余って強く抱きしめすぎていた。
「あ、ごめん…。」