テキストサイズ

りさと3人のDoctors

第49章 治療がこわい



治療後、りさを一旦家まで送って医局に戻った蒼は、ため息をついて自分のデスクに向かった。



豪「蒼、大丈夫か?珍しくため息なんかついて…。」


蓮「りさのこと?」



豪と蓮が蒼を気にかける。



蒼「あぁ…。どうしてあげたらいいのかなって。」


蓮「今どんな感じなの?」


蒼「力は上手に抜けるようになってるんだけど、指入れられるのがどうしても怖いみたいで、入れた瞬間痛がる。本当は痛くなく入ってもおかしくないなんだけど、よっぽどトラウマなんだろうな…。」


蓮「あの時最初にみた傷の感じだと、恐らくこわばる体にいきなり指2本突っ込まれてたからね。りさが走って帰ってきたのが信じられないくらい、相当痛かったと思うよ…。しかも汚い場所で汚い手だったせいで、しばらく炎症も起こしてたし。」


豪「何度考えても許せない。一発殴らせて欲しい…。」


蒼「豪?気持ちは同じだけど、もう退学になったし、やつらに怒りを向けるよりもりさのこと考えよう。」



そう言って、蒼はりさにもらったボールペンを手に取って眺めた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ