りさと3人のDoctors
第51章 生理と救急搬送
採血後、豪と蓮は持ち場に戻り、蒼だけ部屋に残った。
生理痛を痛がるりさに湯たんぽを抱えさせ、りさがうとうと眠り始めても、蒼はしばらくずっと腰を撫でてあげた。
夜中になり、蓮が点滴の交換を持ってそーっと部屋にやってくると、すやすや眠るりさの傍で、蒼もりさの右手を握りながらベッドに伏せて眠っていた。
(ふふっ。完全にカップルじゃん。)
蓮はこっそりスマホでその様子を写真に撮って、豪と楓に送っておいた。
点滴を交換していると、りさが目を覚ましてしまった。
「にぃに…。」
「しーっ……。ごめん、起こしちゃったね。みて、蒼兄も寝てるよ。」
蒼から隠れるようにりさの目線にしゃがむと、ひそひそ声でベッドの反対側の蒼を指さした。
「……っ//」
自分の手を繋ぎながら疲れて眠る蒼の姿に、りさの胸にはドキドキと愛おしさが押し寄せた。
「りさ、今気持ち悪くない?痛みは…?」
蓮はりさのおでこに手を当てた。
「大丈夫…。」
りさも蒼を起こさないようにひそひそ声で返事を返す。
「うん。熱も下がってそうだね…。また朝になったら来るからね…。」
「にぃに、ありがとう…。」
蓮は蒼の背中にそっとブランケットをかけて、りさの部屋をあとにした。