りさと3人のDoctors
第56章 わたし感じちゃうから…
「で、でも…、わたし恥ずかしい…。ぐすん」
蒼の話を聞いてまだまだ泣き続けるりさに、今度は蓮が声をかけた。
「りさ〜。もう泣かないで。恥ずかしくてできないなら、にぃにが代わりに治療しようか?そのかわり、にぃにがしたらもっと感じちゃうと思うけどな〜。そういうの上手だから。」
蓮は蒼に抱かれるりさの頭にぽんっと手を置いて意味深に答える。
「おい、蓮。」
蒼はこんな時になにを言い出すのかと、若干声を低くして蓮を睨むが、りさは蓮が言ったことがどういう意味かもちろんわかっていない。
「にぃにでも恥ずかしいよ…。そういう問題じゃなくて…、そういうのは、その、好きな人とエッ…、えっちを…したときに初めて感じたりしたかったの…。」
「りさ?だから、蒼兄に治療してもらってるでしょ?まだエッチしたことないりさが少しでも安心できるように、りさの1番好きな蒼兄に。」
「…っ!!」
そんなこといったら蒼に気持ちがバレてしまう。
りさは慌てて蒼から体を離して蓮を見るが、蓮はにこにことしらばっくれている。
りさはそっと蒼の方へ顔を上げて、蒼を見つめた。
「りさ、ごめんな。治療で感じちゃうのはたしかに恥ずかしいかもしれないけど、りさはこれからもしばらく治療続けていくのにずっと痛いのも嫌でしょ?毎回の治療が気持ちいいと思えるようになって、治療がつらくなくなれば、先生もうれしいんだけどな。」
(先生、気づいてない?わたしの気持ちバレてないのかな…?わたしが頑張れば、先生はうれしいの?)
「……がんばる。」
心苦しそうに笑顔を見せる蒼に、りさもこれ以上蒼を困らせたくなくて、気持ちがバレてしまうのも嫌で、治療とsexは別物だと自分に言い聞かせた。
ただ、一度は頑張ると答えたものの、りさの中にはまだモヤモヤが残っていた。