
りさと3人のDoctors
第60章 もう限界
コツ、コツ、コツ…、
学校を出て、病院の方に重い足取りで歩き出すりさの周りには、まるでローファーの音だけが響き渡っているように、りさは自分の殻に閉じこもってしまっていた。
(もし治療から逃げたら、少しは楽になるのかな…。
でも、そんなことしたら先生たち怒るよね。だけど、もう限界。解放されたい…。)
りさの心はもうすでに限界がきている。
先生たちの怒った顔や困った顔を思い浮かべるが、もうそんなこと気にならないくらい、りさはつらい苦しい気持ちが強かった。
コツ…、コツ……、
"ぷつん"
そしてついに、りさの中で何かが切れる音がした…。
…………。
りさはその場で足を止め、向きを変えて病院とは反対の方へ歩き始めた。
