りさと3人のDoctors
第63章 りさの無事と父の叱責
謙二郎「蒼、お前が取り乱す気持ちもよくわかる。でもな、お前は医者なんだ。どんな時も目の前の患者の状態を注視してないといけない。それなのに、自分の感情に物言わせてりさちゃんを怒るし、具合が悪いことにも気づかない。今日のお前は医者失格だ。」
蒼「……ごめん、父さん。」
謙二郎「謝る相手は俺じゃないだろ。」
蒼はすべてが正しい父の言葉がグサグサと胸に突き刺さった。
謙二郎「豪も蓮もだ。だいたい、あの感じだと1、2ヶ月くらい前から体に異変があったはずだぞ。揃いも揃って、りさちゃんの何を見てるんだ…。」
蓮「ごめんなさい…。確かに、暖かくなってきたころりさが咳してるような感じあったのに注意してなかった…。でも、父さんはなんであの場ですぐ熱があるって、咳も我慢してるってわかったの…?」
謙二郎「熱は頬の火照り方を見てればわかる。それと、あの子は昔から咳を我慢する癖があってな。咳をしたらなにか痛いことされるって恐怖心からだろう。でも、背中を軽く叩いて撫でてやるとすぐに咳が出る。本当になんでもない時は咳しないから、いつも口を開いてくれない時はこうして見抜いてたんだよ。まぁ、黙り込んでる時は大抵我慢してるんだがな、りさちゃんは昔から変わってないよ。」
3人ともそんなこと全然知らなかった。
りさが黙り込んだり、すぐに大丈夫と言うことはあるが、そんな風に見破る方法があったとは。
3人はずっとりさと過ごしていたのに、やはり父は凄いと3人とも謙二郎を尊敬した。