りさと3人のDoctors
第64章 めでたしめでたしはまだ早い
蓮「りさ、よかったね!蒼兄に気持ち伝えられて、両想いになれたね!!でも、ロマンティックなところ申し訳ないけど、蒼兄早くりさ休ませてあげないと…。もうりさしんどそう。」
蓮がソファーから立ち上がってりさの背中をさする。
謙二郎「蓮の言うとおりだ。りさちゃん、とりあえず座ろうか。」
蒼はりさをソファーに座らせて、涙で濡れてるりさの頬をそっと手で拭った。
謙二郎「りさちゃんお熱測ってみようね。ほら蒼、測ってあげて。」
蒼「あぁ。」
蒼は謙二郎から体温計を受け取ると、りさの隣に座って反対側の脇に体温計を挟み、抱き寄せるように押さえた。
ピピピピッ…
蒼「37.6°」
謙二郎「病院にいた時より上がってそうだな…。ちょっともしもしするよ。」
謙二郎はまたりさの胸の音を聴いていく。
謙二郎「うーん…、ちょっと音が…。りさちゃん、喉はどう?痛い?」
りさ「……。」
豪「わかった。りさ喋ったら咳出そうだから我慢してんだろ?」
りさは一瞬バレたというような顔をした。
でもそんな顔を見なくとも、もう全員どうすればいいか知っている。
蒼はりさの背中をぽんぽんっと軽く叩いてさすった。
りさ「ケホッ、コホコホッ…。うぅ…、」
豪「父さんのやり方すごいな。これもっと早く知りたかった。」
百発百中の父の手法に、息子たちは感心しっぱなしだ。