
りさと3人のDoctors
第64章 めでたしめでたしはまだ早い
蒼「よし、りさ一緒にお部屋行こうか。立てる?ゆっくりね。」
りさ「うん…。」
りさに薬を飲ませたあと、謙二郎、豪、蓮はリビングに残り、蒼がりさを部屋に連れて行った。
ようやくベッドで横になったりさは、また一段と気が抜けたのか、咳き込み涙目で蒼の服の裾を掴んだ。
「先生…、ケホケホッ。」
「しんどいな…。ごめんな、こうなる前に気づいてなくてあげれなくて。」
蒼はりさの背中をさすりながらもう片方で手を握った。
「ケホケホッ…、先生、治療サボった理由、聞かないの…?」
「りさ?それはまた治ってからにしよう。治療のことや勉強のことは気にしないで、今はとにかく元気になることを考えよう。ね?」
「すぐ治るかな…。治らなかったらどうしよう…ケホッ。」
「大丈夫、俺がついてるから。元気になるまでずっとついてるからね。」
そういう蒼の声が、握ってくれる手が、背中をさすってくれる手が、大好きな蒼の全てが、まるで特効薬のようにりさを安心させた。
