
りさと3人のDoctors
第64章 めでたしめでたしはまだ早い
リビングへ降りてきた蒼に蓮が声をかける。
蓮「蒼兄!大丈夫だった?りさなかなか寝なかったの?」
蒼「いや、横になって少し話しながら30分くらいで寝たんだけど、咳き込むし心配で…。」
謙二郎「蒼、りさちゃんに夢中になってお前が倒れるなよ?ほら、ご飯食べなさい。」
謙二郎は悪戯に笑って蒼のおでこをコツンと指で軽く弾いた。
蒼「いてっ…。俺は大丈夫だよ、医者だし身体丈夫だし。」
謙二郎「そうか?蒼は自分のことは放って好きな子に尽くすタイプだろ。」
そう言って、謙二郎はいつか病室でりさの手を握りながら眠ってしまった蒼の写真をスマホの画面に出した。
蒼「はっ!?おい蓮っ。父さんにまで盗撮した写真見せるなよ、ばか!」
蓮「え、なにが?なんのこと!?」
謙二郎「蓮じゃないよ(笑)。これ楓が送ってきたんだ。ビッグニュースとか言って、普段は連絡してこないくせに、豪が涼子ちゃんと付き合ったとか、まったくこういう時だけ報告してくるんだよ。」
蒼「姉ちゃんだったか…。もう、それ恥ずかしいから消しといてよ。」
蒼は顔を赤くして、照れを隠すようにテーブルに置かれたご飯をかきこんで、さっとシャワーを浴びた。
