
りさと3人のDoctors
第64章 めでたしめでたしはまだ早い
「…ケホッ、ゴホゴホッ。うぅっ…せんせ…ゴホッ…。」
「ここにいるよ。大丈夫だよ、りさ。」
それから数日間、りさは37度台の微熱が続いた。
絶対に病院に行って点滴をしたくないからと、昼間はなんとか頑張ってお粥を食べているが、夜は相変わらず咳き込んでいる。
そんなりさのそばについていようと、昼間は病院に出勤し、謙二郎、豪、蓮に交代でみてもらうが、夜の当直は全て別の人に代わってもらって毎日帰ってきている。
「せんせ、治る…?はやく勉強しなきゃ…。はぁはぁ…」
りさは夏休みの大事な時間に勉強できない焦りでいっぱいだった。
「りさ?ちょっと休んだくらいで今まで覚えたこと忘れないし、りさならすぐ追いつくから。治ったら俺も教えてあげるから、ね。今は体のことだけ心配して、たくさん寝て治そう。」
「うん…、ゴホゴホッ、ケホッ、ゲホゲホゲッ…」
「りさっ、ちょっと体起こすよ。」
すると、突然りさが激しく咳き込み出して、蒼は慌ててりさの体を起こして背中をさすった。
