
りさと3人のDoctors
第64章 めでたしめでたしはまだ早い
「ゲホッ、はぁ、ゲホゲホゴホッ、くるし…っゴホッ…」
「りさ落ち着いて深呼吸して。ゆっくりゆっくり…。」
そんなりさの咳は部屋の外にまで聞こえたようで、離れた部屋で寝ていたはずの謙二郎が飛んでやってきた。
謙二郎「りさちゃん、大丈夫か?」
りさ「はぁはぁ…ゲホッ、ゴホゴホゴホッ、やらぁ、ゲホゲホッ…」
りさを支える蒼に代わって、謙二郎はすぐに聴診した。
蒼「父さん、これかなり熱ある、りさの体が熱くて…。痰も絡み出して。」
そういうと、謙二郎はりさの喉にも聴診器を当てた。
謙二郎「まずいな…。病院連れて行こう。肺炎になると危ない。」
りさ「ゴホゴホッ、はぁはぁ、やらぁってケホッばケホッ、うぅっ…ぐすっ」
遠のく意識の中、自分でもやばいと感じているりさは、病院に連れて行かれるとわかって泣き始めた。
