
りさと3人のDoctors
第64章 めでたしめでたしはまだ早い
2人は急いでりさを車に乗せて病院へと向かった。
謙二郎が蒼の車を運転し、蒼はりさを抱いて後部座席に乗ってる。
そして蒼は豪に電話をかけ、到着したらすぐに処置ができるよう準備を頼んだ。
蒼「悪い、今いけるか?りさがちょっと危なくて病院向かってる。5分でつくから準備しといて。酸素もいる。あと、あれも。痰が出せなくて、わかるよな…?頼んだ。」
りさ「ゲホゲホッ…ママ…ケホッ、はぁはぁ、パパ…ゴホッ、ゴホゴホッ…」
蒼「りさ…。すぐ着くからもうちょっと頑張ってな。俺の手握ってて、意識だけなんとか保つんだよ。」
りさ「せ…んせ……はぁはぁ…」
りさは蒼の手を離さないよう、弱る力で精一杯握った。
そして、遠くなる意識で息が上手くできなくなる中、涙目でうっすらと開けた目の隙間から蒼を見つめ続けた。
