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りさと3人のDoctors

第73章 治療の卒業



「ねぇ…、先生…?」


「ん?りさどうした?」



治療が終わり、診察室に戻ったりさは蒼に今後の治療について話を始めた。



「さっき、指2本入るようになったでしょ?治療を始めるとき、にぃにが指2本入るようになるまで頑張ろうって言ってたよね。それは達成できたよね?」


「そうだな。来週、再来週もやってみて入るようであれば、もう入るようになったって言えるかな。」


「それでね、先生。わたし、相談があるの。」


「相談…?」



突然、真剣な顔で話すりさに、蒼はカルテを書く手を止めてりさに向き合った。



「あのね、わたしね、その…、もう、治療は終わりにしたい。」


「うーん。りさ、指2本入ったことは確かに治療のひとつのゴールなんだけど、まだ終わったわけじゃないんだ。」


「うん、それはわかってる。にぃにが説明の時言ってたもん。本当は、これからは自分で機械入れてほぐすの続けないといけないんだよね…。」


「…ということは、りさはちゃんとわかってて相談してるんだね。じゃあ教えて。治療やめたい理由。」


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