
りさと3人のDoctors
第76章 医者の卵
医局に戻ったりさは、事務作業をしながら蓮が戻るのを待った。
母体は助かったのか、あの場でどうして何もできなかったのか。
いろんなことを考えてると、しばらくして蓮が戻ってきた。
そして、りさはすぐに立ち上がって、
「申し訳ありませんでした!!」
と頭を下げる。
でも、その下げた頭はもう上げることができない。
りさの目からは大粒の涙がこぼれ落ちていた。
「顔上げて。」
と蓮が声をかけるが、りさは頭を下げたまま。
「はぁ…、りさ〜。」
と蓮がいつものようにりさに声をかけると、りさはゆっくりと頭を上げた。
「そこ座って。」
と言われてソファーに座ると、蓮も隣に腰掛けた。
