蜃気楼の女
第20章 櫻子の日本国、乗っ取り計画
ラービアはアラビアーナ国から身一つで日本に渡ってきた。両親から能力者の血を引くことを隠されてきた尚子と違って、ラービアは国王である父・マスウードから、超能力の使用方法の指導を受けた筋金入りの超能力者である。彼女の能力を使えば、何でも手に入ったし、自在に人を操れる。ラービアは超能力の使い手として能力に長けていたし、さらに、体型はアラビアーナ人の羨望の的でもあった。身体能力は幼少期から鍛えていたので、カモシカのように、くびれと、筋肉が際立っており、目を引く体型だった。まさに、完璧な女性と言える。その女性の心が、魔性の心で犯されようとしていた。国王マスウードは、娘を恐れた。このままでは、この娘に蜃気楼の国を破壊されてしまう。実の娘を殺すことも考え、悩んでいた。しかし、日本という国からわずかな明るい光を感じた。汚れゆくラービアを救ってくれる男の存在だった。マスウードはこの日本の男に蜃気楼の未来を賭けることにした。そうして、マスウードの指令を受けたラービアはまだ見ぬ男を求め、日本に渡った。ラービアは日本に順応するため、山野櫻子という名前を使うことにした。たまたま、空港から見えた山の風景。その山に咲く一面の桜に目を奪われた。
「まあ、日本て、なんて美しい国なの、ピンク色で山が染まっている」
その風景から名前を考えた。日本に到着し、日本と順応する。きょうの心の中から湧き出る日本人と一体化するために、この決意を忘れないため、風景のイメージを名前にした。それが、山野櫻子の決意表明でもあった。
希望に満ちた櫻子は空港に到着して安田尚子という存在が進一の心をつかんでいることを瞬時に知った。自分の邪心を鎮めてくれるはずの男が、尚子に首ったけだ。
「まあ、日本て、なんて美しい国なの、ピンク色で山が染まっている」
その風景から名前を考えた。日本に到着し、日本と順応する。きょうの心の中から湧き出る日本人と一体化するために、この決意を忘れないため、風景のイメージを名前にした。それが、山野櫻子の決意表明でもあった。
希望に満ちた櫻子は空港に到着して安田尚子という存在が進一の心をつかんでいることを瞬時に知った。自分の邪心を鎮めてくれるはずの男が、尚子に首ったけだ。