
蜃気楼の女
第21章 学園
しかし、二人の育てられた環境は普通とは言えない。片や女だけの国、片や異常性愛者の両親、を見て育ったことは、希有な生育環境と言えた。いかに、周辺から愛情を注がれても、特殊な嗜好、思考になってしまうことは否めない。本人には何の落ち度もなく、特殊な愛情と言える変態性欲的異常要因が生育歴にたっぷり注がれていた。同じ超能力を持つ二人だが、お互いが持つ計り知れない超能力パワーが、磁石のように引き合い、出会ったら爆発的な反応が生じることは当然の成り行きであった。実際、この二人の美女によって、世界の人類は、酒池肉林の官能地獄、否、官能極楽の世界に飲み込まれ、官能の雄叫びと、歓喜の雨、嵐に包まれていく。それは櫻子が導火線となって日本から世界へ、そして、すべての民族を極楽浄土へと導いていく。地球規模で数十億人の性欲過剰の人類へと向かわせ、異常性欲者へと変異させていく。その最初の導火線の始発点が次の施設であり、そこで、今まさに、導火線が点火される。世界的規模で性欲過剰状態になる最高レベルの恐怖が高まる。
鉄筋コンクリート造3階建ての寄棟造の銅板屋根葺き、壁は赤煉瓦の女子学園らしい乙女チックでレトロな外観の学園は、東京都下という地理にあり、周囲にはうっそうとした森林に囲まれ、女子学生たちには落ち着いて学習できる環境として恵まれていた。そう、櫻子が出現するまでは。
学園敷地の北には高さ10メートルの鐘つき塔がそびえ、始業時、終業時、鐘をつく音が、カランカランと近隣にこだまし、学園の存在ここに有り、と知らしめた。住居表示は東京都ではあるが、山奥の尼寺や、修道院と言ってもいいくらい、尊厳、威厳を放った女子学園だ。
鉄筋コンクリート造3階建ての寄棟造の銅板屋根葺き、壁は赤煉瓦の女子学園らしい乙女チックでレトロな外観の学園は、東京都下という地理にあり、周囲にはうっそうとした森林に囲まれ、女子学生たちには落ち着いて学習できる環境として恵まれていた。そう、櫻子が出現するまでは。
学園敷地の北には高さ10メートルの鐘つき塔がそびえ、始業時、終業時、鐘をつく音が、カランカランと近隣にこだまし、学園の存在ここに有り、と知らしめた。住居表示は東京都ではあるが、山奥の尼寺や、修道院と言ってもいいくらい、尊厳、威厳を放った女子学園だ。
