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蜃気楼の女

第22章 学園長・田所平八郎

 櫻子は学園長というポストを日本国乗っ取り計画の第1段階の目標にしていたが、いつのまにか、その目標のポストは、学園長代行になり、学園長に会ったその晩? あたし、秘書? になり、やがて、あたし、お手伝いさん? になり、さらに夜も更けていくと、夕食を一緒に食べながら、ついに、あたし、ホステス嬢? になったりした。二人で食事をしながら楽しく話す。そんな楽しい時間を共有できる平八郎だから、このまま、深夜には、ものすごく深い関係になるような気がしてきた。そう思ったら興奮し食事が喉を通らない。心臓がドキドキ、そわそわして、いよいよ、処女喪失、この老人が初めての男になる? という根拠のない予感がした。気持ちが高ぶり、今夜、平八郎の女に、なっちゃう? 独身を貫いて教育界にしか力を注がなかった平八郎は、今宵、己のパワーを教育以外に初めて向ける。それが、あたし? 山野櫻子。すごく光栄なことかも? 彼の人間的な魅力は大きく、色仕掛けでたぶらかそうとしていた櫻子の心はすっかり陰を潜めていた。体の関係もいいが、一緒にいて話していると、心が癒やされる。櫻子は平八郎とならこれからやっていける、あたしの心を邪心から救ってくれる? そう思うと気持ちが高ぶった。児玉進一でなくても大丈夫。否、平八郎でなければダメ、とまで思い、平八郎と一緒にいたい、と心から思うようになった。あたしのすべてを愛してもらいたいし、平八郎のしわしわの体をしわに沿って、とことんなめてあげたくなった。彼の生きてきた勲章だから。
 深夜、平八郎のメタボ腹が、仰向けに横たわる櫻子の柔肌の上に重なる。そんな姿を想像した。そして、平八郎は寄り添った櫻子の体を優しくぎゅっと圧迫しながら乳房を両手でもみあげる。強くもなく弱くもない、柔らかでマシュマロみたいな捉えどころのない手の動きに、全身で感じた櫻子は、とても幸せな気持ちになって天に昇っていく。そして、ちつの奥深くの壁に、固くなった肉棒の先で突かれる。それでいて、マシュマロのような鬼頭がちつの壁を強く押し当てる、それが心地良くて、歓喜の悲鳴を上げてしまった。
「ぁあぁあー うぅうぅー」

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