
蜃気楼の女
第23章 櫻子VS尚子
「この学園の寮はこの人間型ロボットの工場です。寮生がいなくなって別の価値を生み出すことにしました。学園長の教育方針は、すべての人が楽しい社会活動をできるようにする。そういう人間に育てる教育です。誰もが助け合いながら、社会に貢献する。しかし、そんな理念は今の社会ではなかなか受け入れられません。だから、心身に障害を持った弱者を弱者用スーツを使って補強することが当初の目標でした。つまり、体に障害を持った人に社会貢献できるようにサポートする。そういう心をもった人間を育てる教育です。そういう考え方を持った女性を増やすことで、学園長は社会はきっと明るく幸せな生活を送れると確信しました。わたしもその考え方に共感し、この学校に入学しました。あたし、現在2年生です」
櫻子は学園長と尚子の二人の話を聞いて驚いた。自分の思想とはまるで相容れない思想に思えた。
「あんたとわたし、年が一つ、違うだけだわ。それなのに、そういう考え方ができるなんて、あんた、すごい、偉いわ」
櫻子はそう言いながら、そんなきれい事を言って、この子もお嬢様育ちのお子ちゃまに違いない。人間がそんなきれいごとで育つわけがない。櫻子はラービアとして育ってきた経験からそう思った。人の心は育った環境で変わる。
「あたしもそう思います。あたし一人では日本は変えられない。だから、2年前、ラービアさんの存在を学園長に紹介しました」
櫻子はさらに驚いた。櫻子が心で考えていたことを尚子は読み取った。さらに、2年前から櫻子の存在を知っていたという。
「あなたって? 何者なの?」
「櫻子さん、あたしと友だちになってください。あなたの会いたがっている児玉進一さんにお会いできるようにします」
尚子の言うことに櫻子は驚いてばかりいた。尚子は心を読み取る超能力があるのだろう。それに、知能が半端でなく高い。知能指数(IQ)150。その能力を見つけたのが、平八郎だ。その能力を見い出した平八郎は、尚子を教育し、ドールの開発を担わせた。
櫻子は学園長と尚子の二人の話を聞いて驚いた。自分の思想とはまるで相容れない思想に思えた。
「あんたとわたし、年が一つ、違うだけだわ。それなのに、そういう考え方ができるなんて、あんた、すごい、偉いわ」
櫻子はそう言いながら、そんなきれい事を言って、この子もお嬢様育ちのお子ちゃまに違いない。人間がそんなきれいごとで育つわけがない。櫻子はラービアとして育ってきた経験からそう思った。人の心は育った環境で変わる。
「あたしもそう思います。あたし一人では日本は変えられない。だから、2年前、ラービアさんの存在を学園長に紹介しました」
櫻子はさらに驚いた。櫻子が心で考えていたことを尚子は読み取った。さらに、2年前から櫻子の存在を知っていたという。
「あなたって? 何者なの?」
「櫻子さん、あたしと友だちになってください。あなたの会いたがっている児玉進一さんにお会いできるようにします」
尚子の言うことに櫻子は驚いてばかりいた。尚子は心を読み取る超能力があるのだろう。それに、知能が半端でなく高い。知能指数(IQ)150。その能力を見つけたのが、平八郎だ。その能力を見い出した平八郎は、尚子を教育し、ドールの開発を担わせた。
