
蜃気楼の女
第23章 櫻子VS尚子
平八郎は日本の青少年に明るく生活できる社会にしようという思いを心の中にまく教育を進めた。彼ら心を希望に満ちた未来に導く。そのため、まずは強じんな心身に鍛える必要があった。まず、種を出産することのできる女性の心身を強くしていかねばならないと、第1段階として考えた。第2段階はそれに感化された青年の心に女子から蒔いてもらうのである。その種が開花したとき、日本の社会から、憎悪、嫉妬、いじめ、を消し去ることができる。それが平八郎の教育理念だ。つまり、第1段階、女性の自立を目指した教育だ。誰もが彼の偉大な考えに賛同し、学園設立に向けて出資し、学園が誕生した。りっぱな教育理念だ。それから30年余、平八郎の教育は足踏みを続けた。種はなかなか開かない。もっと大胆な方法に寄らなければ改革できないのではないかと思い始めた。
この教育理念が陽であるなら、平八郎には陰の教育理念が沸々と湧き上がろうとしていた。彼は虐げられた男として幼少期を育ち、その生い立ちはトラウマのごとく彼を苦しめた。彼は世間で言うところの醜男と周辺から陰口を叩かれた。平八郎が思いを寄せた女性はことごとく平八郎の醜いひしゃげた鼻を見て笑った。教育理念は尊敬されたが、人間として、あまりにも醜男だったばかりに拒否された。彼はそのことに傷つき、そんな女どもに復讐をすることを密かに抱いていた。それが安田尚子の入学を機に、たがが外れた。彼は尚子の能力を知って、彼の脳に変質的な性癖が開花した。否、発症したと言ったほうがいい。なぜなら、平八郎が目指す教育とは女性の自立であったが、異常性愛(隣人の青年をよなよな超能力により自慰行為させ、その光景を見ることで、自らもエクスタシーを得ていた)を好む尚子の出現によって、醜男でも愛することのできる女の教育、否、調教する教育に変質してしまったのである。醜男をも愛することができる寛大な心を持った心優しい女性に調教する。彼の学校は女を調教する場へと変貌していった。以来、醜男の彼は男にとって都合のいい女性を育てる教育方針に歪んでいった。その歪んだ平八郎の心を救ってくれたのが櫻子だった。
この教育理念が陽であるなら、平八郎には陰の教育理念が沸々と湧き上がろうとしていた。彼は虐げられた男として幼少期を育ち、その生い立ちはトラウマのごとく彼を苦しめた。彼は世間で言うところの醜男と周辺から陰口を叩かれた。平八郎が思いを寄せた女性はことごとく平八郎の醜いひしゃげた鼻を見て笑った。教育理念は尊敬されたが、人間として、あまりにも醜男だったばかりに拒否された。彼はそのことに傷つき、そんな女どもに復讐をすることを密かに抱いていた。それが安田尚子の入学を機に、たがが外れた。彼は尚子の能力を知って、彼の脳に変質的な性癖が開花した。否、発症したと言ったほうがいい。なぜなら、平八郎が目指す教育とは女性の自立であったが、異常性愛(隣人の青年をよなよな超能力により自慰行為させ、その光景を見ることで、自らもエクスタシーを得ていた)を好む尚子の出現によって、醜男でも愛することのできる女の教育、否、調教する教育に変質してしまったのである。醜男をも愛することができる寛大な心を持った心優しい女性に調教する。彼の学校は女を調教する場へと変貌していった。以来、醜男の彼は男にとって都合のいい女性を育てる教育方針に歪んでいった。その歪んだ平八郎の心を救ってくれたのが櫻子だった。
