蜃気楼の女
第25章 1週間前
田所の経営する性女学園の卒業生には、皇族に嫁いだり、財界のトップの妻として活躍していたり、その数は多い。あらゆるジャンルで活躍するトップリーダーの妻としての素養を身につけることのできる学園最難関の花魁(おいらん)学科を非公式に作っている、といううわさを聞いている。何度かこの学校に取材を申し込み、隠された秘密を探ったが、当然のごとく、取材は拒否されて、真実に未だ至っていない。どんなカリキュラムがあるのか、企業秘密であると、皆目不明である。他社の編集者が取材のために忍び込んだこともあるが、セキュリティが厳重なため、あえなく逮捕されたものは数知れず。だから、橋本は正攻法で取材するしか道はない。今日も田所に電話をしている。しかし、田所に拒否され続け3年が経過していた。
田所平八郎は学園長室で橋本と電話をしている。
「また、君ですか? 熱心ですねえ。その情熱をほかに向けられたらいかがですか? ところで、あたしの新しい真実が何か分かりましたか? 橋本さん? あなたには絶対分からないでしょうね。根本的な考え方の違いですから、あなたには僕の崇高な教育理念を理解してもらえそうにないです」
田所平八郎は学園長室で橋本と電話をしている。
「また、君ですか? 熱心ですねえ。その情熱をほかに向けられたらいかがですか? ところで、あたしの新しい真実が何か分かりましたか? 橋本さん? あなたには絶対分からないでしょうね。根本的な考え方の違いですから、あなたには僕の崇高な教育理念を理解してもらえそうにないです」