テキストサイズ

蜃気楼の女

第35章 現代の安田邸

 進一は、尚子の進一に対する職場での妖艶な行為の数々をかみしめるように回想していたら、股間がすっかり大きく膨らみ、パンツを突き破ってしまいそうになるくらい怒張してきた。進一は腰をくねらせながらエッチな妄想をしているというのに、尚子は何も知らないで平然と立っていた。
 それにしても、市場で買ったこのドールがこれほど自分に似ているのはどういうことなのか、進一は先ほどの妄想を思い出す。
(やっぱり、さっきの妄想はなまめかしかったなぁ? 尚ちゃんとしているみたいだったなぁ)
 進一がそう思うのも無理はない。尚子と進一の妄想は、同じ時間、同じ場面で、お互いが妄想し、相互の脳内で妄想を共有しているから、常に同じ状況で妄想をしていることになる。超能力者だけが可能な精神のセックスをしていた。正式な名称を付けるとすれば、能力者である二人だから可能である「精神性脳内共有セックス」と命名しておく。
「進ちゃんの思っているとおり、あたし、これで自分を慰めているのぉ…… きのうも帰ってきてから、しちゃったぁー 進ちゃんの愛がほしいのぉ…… だから、進ちゃんの分身を作ったのよぉ……」
 進一は尚子から出た意外な言葉に驚いた。
「進ちゃんのこと、あたし、物心がついたときから、ずっと…… ずっっっーと…… 好きなの…… もう、好きでたまらないのぉ…… 進ちゃんを思うと、おっぱいの下あたり…… この辺が…… 苦しいのぉ…… 進ちゃん、あたしのこと…… どう思ってるのぉ? …… あたしを抱きたくないのぉ?……」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ