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田村さんと私

第2章 帰宅後

寝室にある本棚の前に箱を置いた

本当に息子が強姦だなんて恐ろしいことをしたのだろうか

小さいころから虫が苦手で、園服にてんとう虫がついただけで泣いていたあの子が…

気づけば涙が流れていた

覆面の男は、手の甲にアザがある男だったと田村さんは言った

息子の新一には生まれつきアザがあった、小学校でからかわれるたびに長袖や手袋で隠していた、高校生になった今でも残っているが、コンシーラーや絆創膏を使って目立たないようにしていた…

新一にアザがあるのを、数年前に引っ越してきた田村さんが知っているとは思えない…

あぁ…なんてことだ…こんなこと妻には言えない…

小さな箱に目をやる

あれはカメラか何かなんだろうか?それとも録音機器?

毎日妻とセックスしたら、警察に黙っていてくれるという意味なんだろうか…

50近い私達のセックスを見てどうするつもりなのだろう…

ぼーっと座っていると妻が寝室に入ってきた

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