紅葉色のバイオリン
第1章 希一
灰音と別れ、次に会ったのは高校からの友人、菊川純だった。
同じことを相談してみる。
「柊一なりの良さか…。」
そう呟いた純は静かに言った。
「あのさ柊一、お前、希一くんに勝るところ探そうとして無いか?」
「えっ?」
僕は驚いて純を見つめる。
純は真っ直ぐ僕の目を見て言う。
「それが間違いなんだよ。柊一なりの良さってのはさ、希一くんに勝るところじゃ無い。柊一だけの特性。つまり柊一だけの長所。」
「僕だけ…の…」
僕の長所…僕だけの特性…
「柊一、1つだけ教えてやるよ。」
「え?」
「お前のスゲエところ。」
純はそう言ってにっこり笑う。
「“人をよく見てる”」
「え?」
純は僕を真っ直ぐ見て言う。
「お前さ、気付いて無いかも知れないけど、人のこと、よく見てるだろ。特に希一くんのこととか。俺だって美奈をあそこまで分かること出来ないし。」
美奈は純の双子の妹だ。
純と美奈は互いに心が通じ合ってるかのように息ピッタリなのに純からみたら僕の方が兄弟、希一のことがよく分かっているらしい。
「まさか!」
「やっぱりお前…気付いて無かったな…」
純は呆れたように笑って続ける。
「希一くんだけじゃない。俺のことも美奈や灰音のこともお前はちゃんと見ていた。それに敏感に周りの気持ちも読み取ってたろ?」
「そうかな?僕、そんなこと考えても無かった。」
「これは俺には真似出来ない、柊一だけの特性。つまりオンリーワンの長所さ。」
そう言ってウィンクする。
純はウィンクが上手だ。
茶髪のイケメンの純がウィンクすると本当に様になる。
「ありがとな、純。」
少し答えに近づいた気がする。
同じことを相談してみる。
「柊一なりの良さか…。」
そう呟いた純は静かに言った。
「あのさ柊一、お前、希一くんに勝るところ探そうとして無いか?」
「えっ?」
僕は驚いて純を見つめる。
純は真っ直ぐ僕の目を見て言う。
「それが間違いなんだよ。柊一なりの良さってのはさ、希一くんに勝るところじゃ無い。柊一だけの特性。つまり柊一だけの長所。」
「僕だけ…の…」
僕の長所…僕だけの特性…
「柊一、1つだけ教えてやるよ。」
「え?」
「お前のスゲエところ。」
純はそう言ってにっこり笑う。
「“人をよく見てる”」
「え?」
純は僕を真っ直ぐ見て言う。
「お前さ、気付いて無いかも知れないけど、人のこと、よく見てるだろ。特に希一くんのこととか。俺だって美奈をあそこまで分かること出来ないし。」
美奈は純の双子の妹だ。
純と美奈は互いに心が通じ合ってるかのように息ピッタリなのに純からみたら僕の方が兄弟、希一のことがよく分かっているらしい。
「まさか!」
「やっぱりお前…気付いて無かったな…」
純は呆れたように笑って続ける。
「希一くんだけじゃない。俺のことも美奈や灰音のこともお前はちゃんと見ていた。それに敏感に周りの気持ちも読み取ってたろ?」
「そうかな?僕、そんなこと考えても無かった。」
「これは俺には真似出来ない、柊一だけの特性。つまりオンリーワンの長所さ。」
そう言ってウィンクする。
純はウィンクが上手だ。
茶髪のイケメンの純がウィンクすると本当に様になる。
「ありがとな、純。」
少し答えに近づいた気がする。