紅葉色のバイオリン
第2章 柊一
その時、希一のネイビーの楽器ケースが目に入る。
僕が開けると中に入っていたバイオリンは無事だった。
ふと僕は違和感を感じる。
スクールバックが泥だらけだったのに、それに比べてやけに綺麗な楽器ケース。
そして全く損傷がないバイオリン。
バイオリンなどの弦楽器はとても繊細なものだ。
特に弦なんかはよく切れる。
まあ、弦を張り替えるぐらいのことは自分達ですぐに出来るのだが。
普通にしててもよく切れるのに希一のバイオリンは傷どころか弦すら切れていない。
何かがおかしい。
「背中…」
「あ?」
「背中見せろ。」
「ちょっ、兄さん!イタッ!」
なんでもっと早く気付かなかったのだろう。
希一のワイシャツは泥だらけだった。
その中でも特に背中がひどい。
汚れから分かった。
背中が蹴られていた。
やはり希一の背中は赤く熱を持って腫れていた。
骨折はしてないようだし、骨にヒビも入ってなさそうだが、やはり打ち身になっている。
そこで分かったことがある。
「バイオリンを庇って背中を蹴られた…そうだろ?」
「…」
無言は肯定という意味でとって間違い無いだろう。
僕はそれ以上は何も言うことはしなかった。
僕が開けると中に入っていたバイオリンは無事だった。
ふと僕は違和感を感じる。
スクールバックが泥だらけだったのに、それに比べてやけに綺麗な楽器ケース。
そして全く損傷がないバイオリン。
バイオリンなどの弦楽器はとても繊細なものだ。
特に弦なんかはよく切れる。
まあ、弦を張り替えるぐらいのことは自分達ですぐに出来るのだが。
普通にしててもよく切れるのに希一のバイオリンは傷どころか弦すら切れていない。
何かがおかしい。
「背中…」
「あ?」
「背中見せろ。」
「ちょっ、兄さん!イタッ!」
なんでもっと早く気付かなかったのだろう。
希一のワイシャツは泥だらけだった。
その中でも特に背中がひどい。
汚れから分かった。
背中が蹴られていた。
やはり希一の背中は赤く熱を持って腫れていた。
骨折はしてないようだし、骨にヒビも入ってなさそうだが、やはり打ち身になっている。
そこで分かったことがある。
「バイオリンを庇って背中を蹴られた…そうだろ?」
「…」
無言は肯定という意味でとって間違い無いだろう。
僕はそれ以上は何も言うことはしなかった。