ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第132章 つわり
〜病室〜
「悠仁さん…」
「うん?」
「…。」
「どした?」
「ごめんなさい…。」
「うん?なんで謝るんだ。」
「わたし、赤ちゃん産めないかもしれない…。もう嫌になっちゃって…ずっと気持ち悪いの…いつ終わるのかわからなくて…もう、妊娠なんてやめたいって、本気でそう思っちゃって…」
「ひな…」
ひなの目から溢れる大粒の涙を、耳に流れる手前で拭いとる。
「謝ることじゃない。こんなにしんどい思いして、嫌になって当たり前だから。ごめんなんて言わなくていい…」
頭を撫でてやりたいけどできなくて、痣が痛々しいひなの手をそっと包む。
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