居候と実況者が恋に落ちるまで。
第2章 本当は3人暮し、だったり?
いや〜24時間ゴミが出せるなんて夢みたいな設備のあるマンションだなぁ、ほんと助かった。
よしよし、これでゴミは一旦片付いたし見えるようになった床の掃除が出来る。っと、その前にカーテンレールとか上の方の埃をハタキで落としておかなきゃ。
さっき家を出る時に聞こえた楽しそうな声がまだ廊下に聞こえてる。一色さん、バラエティ番組とか観るんだ、意外。
まあまだ会ってから日も浅いから、そんな知ってることがあるわけじゃないからさ。決めつけはよくないよね。
「うわっ埃、すご…」
ちょっとハタキを動かしただけで舞う埃。
100均でマスクも買っておいて正解だった…。
「けほっ…げほっ…うぇ…」
前言撤回。マスクなんかじゃ防げなかった。仕方ない、上からタオルも巻こう。うう、目に入ったのが痛い。
これは仕事が一つ増えちゃったな、もちろんカーテンレールの上の水拭き掃除の追加。
ガチャ…、扉を開ける音がして反射的に振り返ると一色さんが立っていた。あれ、まさかここに来ることがあるなんて思ってもみなかった。
一色さんは窓の近くで目を擦る私を横目で見ると、冷蔵庫からストックの水を2本とカロリーバーを5、6本鷲掴んでそのまま元来た扉の外へ消えていった。
・・・って、あれ。
水が2本にカロリーバー5、6本って。多くない?
一色さん1人であのバーを全部食べたらお昼ご飯だけでも1200kcal超えるよね?
水も2本だし、やっぱりこの家誰かもう1人住んでいるんじゃ…。あの笑い声もその誰かのものなんだと思ったら妙に納得出来てしまう。
なんか自分でそういう考えに至ったはずなのに、知らない誰かがもう1人同じ家にいるってなったら凄く怖くなってきた…。
え、なんで一色さんはそれを言ってくれないんだろう。もう1人いるなら最初にそう言ってくれれば・・・。
まさか…言えないような人物?!
た、例えば何か罪を犯した人を匿ってるとか。
もしくは、ああやってリンちゃんに無理矢理に話を纏められたから言い出せなかったけど実は恋人と同棲してたとか。
どっちだったとしてもやばい!
どうしよう。
構うな、入るなって言われている一色さんの仕事部屋をこっそり覗くわけにはいかない、よね…?