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優しく繋がる赤い糸

第3章 1st side -Natsume-*Act.3

「夏目さんと、夜のデートがしたいです」

 カップに口を付けていた夏目は、危うくコーヒーを噴き出しそうになった。
 それをどうにかすんでのところで留めたものの、結局、ゲホゲホとむせてしまった。

「大丈夫、ですか?」

 心配そうに顔を覗き込んでくる萌恵に、「大丈夫」と笑顔を取り繕って返す。

「ちょっと、君のお願いにビックリしただけだから。気にしないで」

 夏目が言い終えたタイミングで、注文していた料理が運ばれてきた。

 そこで会話は一旦中断された。

 従業員は、夏目の前にミックスフライ御膳を、萌恵の前にチキンドリアとサラダを置くと、「ご注文の品は以上でよろしかったでしょうか?」と訊ねてくる。

 夏目と萌恵は同時に頷いた。

「では、ごゆっくりどうぞ」

 ふたりの返答を見届けてから、従業員は一礼してその場を去る。

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