優しく繋がる赤い糸
第6章 1st side -Natsume-*Act.6☆
「無理しなくていいんだよ? 体質に合わなければ中毒も起こしかねない」
「いえ、大丈夫です」
夏目の心配に対し、萌恵は首を横に振る。
意地になっているのだろうか。
「どのみち、酒だけじゃ悪酔いしてしまう。ちゃんと食うもんも食わないとダメだよ?」
「――夏目さん、お父さんみたいです……」
「間違っちゃいないな。だって、君のお父さんと俺は同世代じゃない?」
「まあ、近いかもしれないですけど……」
父親と一括りにされたことが面白くなかったのか、萌恵はあからさまに唇を尖らせている。
(ここは逆に俺が機嫌を損ねる立場だと思うけどな……)
やれやれ、とひっそりと溜め息を漏らしながら、残っていた缶ビールをそのまま喉に流し込む。
萌恵は不貞腐れた様子を見せながらも、素直に夏目の言葉に従っている。
寿司の盛り合わせから甘エビの握りを箸で掴み、しょうゆに付けて黙々と口に運んでいた。
夏目も萌恵に倣った。
どれにしようか迷い、マグロの握りを選んだ。
寿司屋で食べる寿司と比べるとレベルは劣るが、決して不味くもない。
「夏目さん」
玉子の握りを咀嚼してから、萌恵が真っ直ぐに夏目を見つめる。
先ほどまで拗ねていたのが嘘のように、いつもの萌恵に戻っていた。
萌恵の変わり身の早さに、夏目は呆れるよりもむしろ感心していた。
同時に、いつもの萌恵に戻ったことに内心ホッとした。
「いえ、大丈夫です」
夏目の心配に対し、萌恵は首を横に振る。
意地になっているのだろうか。
「どのみち、酒だけじゃ悪酔いしてしまう。ちゃんと食うもんも食わないとダメだよ?」
「――夏目さん、お父さんみたいです……」
「間違っちゃいないな。だって、君のお父さんと俺は同世代じゃない?」
「まあ、近いかもしれないですけど……」
父親と一括りにされたことが面白くなかったのか、萌恵はあからさまに唇を尖らせている。
(ここは逆に俺が機嫌を損ねる立場だと思うけどな……)
やれやれ、とひっそりと溜め息を漏らしながら、残っていた缶ビールをそのまま喉に流し込む。
萌恵は不貞腐れた様子を見せながらも、素直に夏目の言葉に従っている。
寿司の盛り合わせから甘エビの握りを箸で掴み、しょうゆに付けて黙々と口に運んでいた。
夏目も萌恵に倣った。
どれにしようか迷い、マグロの握りを選んだ。
寿司屋で食べる寿司と比べるとレベルは劣るが、決して不味くもない。
「夏目さん」
玉子の握りを咀嚼してから、萌恵が真っ直ぐに夏目を見つめる。
先ほどまで拗ねていたのが嘘のように、いつもの萌恵に戻っていた。
萌恵の変わり身の早さに、夏目は呆れるよりもむしろ感心していた。
同時に、いつもの萌恵に戻ったことに内心ホッとした。