優しく繋がる赤い糸
第6章 1st side -Natsume-*Act.6☆
「――夏目さん……」
鼻を啜り、萌恵が訥々と続ける。
「私……、やっぱり迷惑なんですね……」
今まで無邪気に振る舞ってきた萌恵からは信じられないほど、弱気な言葉が口から漏れた。
夏目の胸に、チクリと突き刺さるものを感じた。
同時に、自我を抑えれば抑えるほど、かえって萌恵の傷を広げるだけだと悟った。
夏目は、ごく自然に萌恵の身体を抱き締めていた。
そして、柔らかな髪に顔を埋め、「違うんだよ」と言葉を紡いだ。
「迷惑だなんてこれっぽちも思っていない。ただ……、怖かった……」
「どうして……?」
「君を……、穢してしまいそうで……」
「穢す、って?」
なおも不思議そうに訊き返してくる萌恵に、夏目は思わず微苦笑を浮かべる。
身体をわずかに離すと、涙で濡れた双眸が夏目を真っ直ぐに見つめていた。
「君はもう少し、警戒心を持った方がいい」
半ば呆れながら告げるも、萌恵はやはり、キョトンとしている。
本当に全くすれていない。
それとも、わざとすれていないふりをしているだけなのか。
(なら、俺もわざと騙されてやろうか)
夏目は口元に弧を描き、萌恵の唇に夏目の人差し指を添えた。
「こんなオヤジでも俺は男なんだから、狭い密室に君とふたりっきりでいて平気でいられるはずがないだろ?」
「それってつまり、私を女として見てるから、ってことですか?」
「間違ってはないな」
「私とセックスしたい。そう思ってるんですね?」
「あ、いや……」
予想以上に直球で攻められる。
ただ、萌恵の言っていることは見事に的を射ているから、否定する要素が全くない。
鼻を啜り、萌恵が訥々と続ける。
「私……、やっぱり迷惑なんですね……」
今まで無邪気に振る舞ってきた萌恵からは信じられないほど、弱気な言葉が口から漏れた。
夏目の胸に、チクリと突き刺さるものを感じた。
同時に、自我を抑えれば抑えるほど、かえって萌恵の傷を広げるだけだと悟った。
夏目は、ごく自然に萌恵の身体を抱き締めていた。
そして、柔らかな髪に顔を埋め、「違うんだよ」と言葉を紡いだ。
「迷惑だなんてこれっぽちも思っていない。ただ……、怖かった……」
「どうして……?」
「君を……、穢してしまいそうで……」
「穢す、って?」
なおも不思議そうに訊き返してくる萌恵に、夏目は思わず微苦笑を浮かべる。
身体をわずかに離すと、涙で濡れた双眸が夏目を真っ直ぐに見つめていた。
「君はもう少し、警戒心を持った方がいい」
半ば呆れながら告げるも、萌恵はやはり、キョトンとしている。
本当に全くすれていない。
それとも、わざとすれていないふりをしているだけなのか。
(なら、俺もわざと騙されてやろうか)
夏目は口元に弧を描き、萌恵の唇に夏目の人差し指を添えた。
「こんなオヤジでも俺は男なんだから、狭い密室に君とふたりっきりでいて平気でいられるはずがないだろ?」
「それってつまり、私を女として見てるから、ってことですか?」
「間違ってはないな」
「私とセックスしたい。そう思ってるんですね?」
「あ、いや……」
予想以上に直球で攻められる。
ただ、萌恵の言っていることは見事に的を射ているから、否定する要素が全くない。