優しく繋がる赤い糸
第6章 1st side -Natsume-*Act.6☆
「毅弘さんは」
また、萌恵が真っ直ぐに夏目を見つめてくる。
萌恵の眼差しから視線を逸らせない。
「私とこうなって、後悔してます……?」
やんわりと、だがはっきりと訊ねてくる。
夏目は一呼吸置き、「いや」と首を振った。
「今さら後悔なんてしない。むしろ、こうなることを心のどこかで望んでいたんだ。――それより君を、縛り付けてしまうことが怖い……」
そこまで言うと、萌恵を自分の胸の中に埋めさせた。
萌恵は身じろぎひとつしない。
それどころか、夏目の背中に両腕を回し、さらに夏目に強くしがみ付いてくる。
「縛り付けて下さい」
くぐもった声で萌恵が言う。
「私だって毅弘さんを縛り付けるんですから、絶対。好きな人を自分だけのものにしたいって思うのは当たり前でしょ?」
「――そうだな……」
萌恵の強い言葉に夏目は安堵する。
萌恵なら、自分が望んだ通りの答えをくれる。
それを分かっていながら、あえて試すようなことを言ってしまった。
(萌恵の方がよっぽど大人だな……)
萌恵に依存していることに改めて気付き、ひっそりと自らを嘲る。
もしかしたら――いや、もしかしなくても、夏目の方が萌恵をより愛してしまっている。
それを認めてしまうことが、本当はとても怖かった。
夏目は萌恵を抱き締める腕を緩めた。
そして、萌恵の唇に夏目のそれを押し付けた。
また、萌恵が真っ直ぐに夏目を見つめてくる。
萌恵の眼差しから視線を逸らせない。
「私とこうなって、後悔してます……?」
やんわりと、だがはっきりと訊ねてくる。
夏目は一呼吸置き、「いや」と首を振った。
「今さら後悔なんてしない。むしろ、こうなることを心のどこかで望んでいたんだ。――それより君を、縛り付けてしまうことが怖い……」
そこまで言うと、萌恵を自分の胸の中に埋めさせた。
萌恵は身じろぎひとつしない。
それどころか、夏目の背中に両腕を回し、さらに夏目に強くしがみ付いてくる。
「縛り付けて下さい」
くぐもった声で萌恵が言う。
「私だって毅弘さんを縛り付けるんですから、絶対。好きな人を自分だけのものにしたいって思うのは当たり前でしょ?」
「――そうだな……」
萌恵の強い言葉に夏目は安堵する。
萌恵なら、自分が望んだ通りの答えをくれる。
それを分かっていながら、あえて試すようなことを言ってしまった。
(萌恵の方がよっぽど大人だな……)
萌恵に依存していることに改めて気付き、ひっそりと自らを嘲る。
もしかしたら――いや、もしかしなくても、夏目の方が萌恵をより愛してしまっている。
それを認めてしまうことが、本当はとても怖かった。
夏目は萌恵を抱き締める腕を緩めた。
そして、萌恵の唇に夏目のそれを押し付けた。