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Melting Sweet*Extra

第4章 悪戯にはほろ苦い媚薬を*Act.2☆

 唇が離れると、夕純さんの口角から透明な唾液が零れてきた。
 夕純さんは気付いているのかいないのか。
 どちらにしても、手首は相変わらず縛ったままだし、拭うだけの余裕もないだろう。

「あぁ……イク……イッちゃう……!」

「まだ、ダメです、よ……」

 俺も余裕がなくなっているが、自制しながら奥を責める。

「い……あぁ……っ……」

 絶頂を迎えた夕純さんが俺自身を強く締め付けた。

 ここで俺も限界に達してきた。

「俺も、イキますよ……?」

「や……また……っ……あぁぁ……!」

 夕純さんの嬌声を聴きながら、俺は膜越しに白濁を吐き出した。
 少しばかり夕純さんのナカに留まり、全て出しきってからゆっくりと引き抜いてゆく。

 夕純さんは放心状態で仰向けになっている。
 口も小さく開かれ、乱れた髪が汗でぴたりと頬に付いていた。

 俺はまず、コンドームの後処理を済ませる。
 それから、夕純さんの秘部をティッシュで拭き、手首を縛っていたネクタイを解いた。

 ようやく自由になった夕純さんは、横になった俺に抱き着いてくる。

「大丈夫ですか?」

 夕純さんを抱き返し、頬の髪をよけながら問う。

 夕純さんは俺の胸に顔を埋めながら、「うん」と小さく答えた。

「大丈夫だけど……」

「『だけど』、何ですか?」

 夕純さんは少し間を置き、くぐもった声で言葉を紡む。

「いつもより……、感じちゃったから……」

「そんなに良かったんですか?」

「――認めたくないけど……」

 どこまでも意地を張り続ける夕純さん。
 けれど、そんな彼女が堪らなく愛おしくて、抱き締める腕に力が籠る。

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