Melting Sweet*Extra
第6章 壊されるほどに*Act.2☆
「今日作るのは一番下のやつです」
数種類あるカクテルのレシピの中で衛也君が指差したのは、グリーン系の優しい色合いのカクテルだった。
芽吹きの春をイメージしたものらしく、確かに見た目も春らしい温かみを感じさせる。
「まだまだ寒いですけど、もうじき春になりますしね。今の時季にちょうどいいかな、って」
衛也君はコピーしたレシピをシンクに置くと、それを見ながらカクテル作りを始めた。
「手伝おうか?」
黙って立っているのもどうかと思い、衛也君に声をかけてみた。
けれども、衛也君はそれをやんわりと拒否した。
「この間の肉じゃがのお礼ですから、俺に全部作らせて下さい。――まあ、不味かったらお礼どころじゃなくなりますけど」
衛也君は私に肩を竦めて見せると、ぎこちない手付きでお酒の調合をする。
しかも、計量カップなどというものは衛也君の所にはないから、当然、全て目分量だ。
ふるふる震えながら最初に日本酒を、続けてジンをグラスに注ごうとした結果、一気に三分の一ほど入ってしまった。
予想通りといえば予想通りの展開だった。
数種類あるカクテルのレシピの中で衛也君が指差したのは、グリーン系の優しい色合いのカクテルだった。
芽吹きの春をイメージしたものらしく、確かに見た目も春らしい温かみを感じさせる。
「まだまだ寒いですけど、もうじき春になりますしね。今の時季にちょうどいいかな、って」
衛也君はコピーしたレシピをシンクに置くと、それを見ながらカクテル作りを始めた。
「手伝おうか?」
黙って立っているのもどうかと思い、衛也君に声をかけてみた。
けれども、衛也君はそれをやんわりと拒否した。
「この間の肉じゃがのお礼ですから、俺に全部作らせて下さい。――まあ、不味かったらお礼どころじゃなくなりますけど」
衛也君は私に肩を竦めて見せると、ぎこちない手付きでお酒の調合をする。
しかも、計量カップなどというものは衛也君の所にはないから、当然、全て目分量だ。
ふるふる震えながら最初に日本酒を、続けてジンをグラスに注ごうとした結果、一気に三分の一ほど入ってしまった。
予想通りといえば予想通りの展開だった。