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Melting Sweet*Extra

第6章 壊されるほどに*Act.2☆

「あっちで飲んでみましょう」

 カクテルのグラスをふたつ持った衛也君に促され、再び部屋に戻る。

 衛也君はグラスをテーブルに置くと、また台所へ向かい、個別包装されたサラミとチーズのおつまみを持って戻って来た。

「すいません、腹の足しになるようなものがなくて……」

 そう言いながら、袋を破って中身をコタツの中心に広げる。
 日本酒ベースとはいえ、カクテル用のおつまみじゃないな、とは思ったけれど、やっぱり突っ込みは心の中だけに留めた。

「それじゃあ、今日も一日お疲れ様でした」

 衛也君のこの言葉を合図に互いのグラスがぶつかり合い、乾いた音が響く。

 私と衛也君は同時にグラスに口を付けた。
 グリーンティーリキュールの味だろうか。
 ほんのりと甘い。
 そして、レモンジュースの酸っぱさが相まって飲みやすい。

「美味しい」

 正直な感想を口にしたのに、衛也君は「ほんとですか?」と恐る恐る訊ねてくる。
 衛也君には合わなかったのだろうか。
 そう思って問い返してみると、そんなことはない、と首を横に振った。

「失敗したわりには美味く出来たと思ってます。――でも、俺はもうちょっと酒が強めでも良かったかな? これはやっぱり女性向けかもしれませんね」

「なるほど」

 私はチーズを咀嚼してから、それをカクテルで流し込んだ。

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