Melting Sweet*Extra
第1章 もう少しだけ*Act.1
「――なんか、しょぼいわね……」
ようやく落ち着いたかと思ったら、夕純さんがポツリと漏らす。
「しょぼいって、何がですか?」
「だって、よく見て? 肉じゃがと玉子焼きとお漬物だけなんて……。私はともかく、衛也君のお腹の足しにはならないじゃない……」
そう言ってから、最後に、「ごめん……」と謝罪してくる。
「謝ることじゃないですよ」
しょんぼりしている夕純さんに、俺はニッコリと微笑んで見せた。
「これだけあれば充分です。夕純さんお手製の肉じゃがと玉子焼きがあるのが最高の贅沢ですから」
「ほんとに、そう思う……?」
「ほんとです」
俺は大きく首を縦に動かし、箸を手に取った。
「食っていいですか?」
念のためにと訊くと、夕純さんは、「ええ」とぎこちなく返事してきた。
「ほんとに、不味かったら無理しなくていいから……。味見はしたけど、ほんと自信ないから……」
味見もしたと言いながら自分の料理を卑下する夕純さんを少し哀しく思いながら、俺はじゃがいもを咀嚼した。
煮崩れはしていたが、甘じょっぱいダシがいい具合に口いっぱいに広がる。
ようやく落ち着いたかと思ったら、夕純さんがポツリと漏らす。
「しょぼいって、何がですか?」
「だって、よく見て? 肉じゃがと玉子焼きとお漬物だけなんて……。私はともかく、衛也君のお腹の足しにはならないじゃない……」
そう言ってから、最後に、「ごめん……」と謝罪してくる。
「謝ることじゃないですよ」
しょんぼりしている夕純さんに、俺はニッコリと微笑んで見せた。
「これだけあれば充分です。夕純さんお手製の肉じゃがと玉子焼きがあるのが最高の贅沢ですから」
「ほんとに、そう思う……?」
「ほんとです」
俺は大きく首を縦に動かし、箸を手に取った。
「食っていいですか?」
念のためにと訊くと、夕純さんは、「ええ」とぎこちなく返事してきた。
「ほんとに、不味かったら無理しなくていいから……。味見はしたけど、ほんと自信ないから……」
味見もしたと言いながら自分の料理を卑下する夕純さんを少し哀しく思いながら、俺はじゃがいもを咀嚼した。
煮崩れはしていたが、甘じょっぱいダシがいい具合に口いっぱいに広がる。