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Melting Sweet*Extra

第6章 壊されるほどに*Act.2☆

 ようやく落ち着いてから、衛也君はいつものように私に腕枕をする格好で横になる。

 私はそのまま、衛也君の胸板に顔を埋める。
 肌にはうっすらと汗が浮かび、耳を寄せると、トクトクと鼓動の脈打つ音が聴こえてきた。

「お疲れ様」

 ずっと動き続けていた衛也君にねぎらいの言葉をかけてみる。
 口にしてからすぐ、こんな言い方も変だな、とすぐに気付いたけれど。

 案の定、衛也君は肩を揺らしてクツクツ笑っている。
 「ありがとうございます」とおどけた調子で私に答え、額に軽く唇を押し付けてきた。

「夕純さんこそ、だいぶお疲れじゃないですか?」

「どうして?」

 顔をもたげ、不思議に思いながら衛也君を見つめると、口元に笑みを湛えている彼と目が合った。

「肩が凝るほど仕事に没頭していたでしょう? ほんとにカチカチでしたよ」

「三十路だもの。身体のあちこちにガタがきててもおかしくないわ」

「トシは関係ないでしょ。夕純さんは真面目過ぎるんです」

 衛也君は、少し怒ったような口調で続けた。

「何事も一生懸命に取り組む夕純さんは素敵だし尊敬してます。けど、ちょっとは手を抜くことも時には必要ですよ? 高遠課長だって、夕純さんが無理することを望んでいないです。実際に面と向かって言われてたじゃないですか」

「でも、中途半端にするのが嫌だから……」

「そこで無理して倒れたりしたら、誰が一番責任を感じますか?」

 事後の甘いひと時であるはずなのに、何故、私は衛也君に説教されているのだろう。
 そもそも、こんな時に仕事の話を持ち出すこと自体がどうかしている。

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