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ママ、愛してる

第2章 転機

湯船から出て、幼い頃のようにお互いの身体を洗いあった。

本当にママの身体は美しい。

顔だって、声だって、僕を優しく包み込んでくれる。

ママの手が、僕の身体を撫でるように洗い始めると、
たった今、果てたばかりのペニスが、ふたたび元気を取り戻す。

「お風呂を出てからね」

ママが僕を見て戒める。

僕が頷きながらキスを求めると、ママは応えてくれる。

僕は、その時幸福の絶頂だった。


お風呂から出て、ママはその細い身体にタオルを巻き付けた。
僕も腰にタオルを巻く。

当然のように、二人とも下着は着けない。

本当の恋人のように、手をつないでママのベッドに移動した。


ママは先にベッドに横になり、
「おいで」
と、誘う。

僕もママの隣に身体を横たえた。

ママのタオルを外そうとすると、ママが真面目な顔でそれを制止した。


「コウ。よく聞いて」
僕が頷くと、ママは言葉を続けた。

「ママは、あなたが求めるなら、どんなことでも応じてあげる。でも、あなたも、今から一歩を踏み出せば、鬼畜になってしまうのよ。親子で交わるのは、畜生と同じ。きっと地獄に落ちるよ。覚悟は出来てる?」

「もちろん。ママと一緒に居られなければ、此の世だって地獄だもん。もし、ママが再婚でもして、他の男に抱かれるとしたら、僕はどうなるかわからない」

「わかった。でも、二つだけ約束して」

「何を?」

「まず、コウとこういう関係になる限り、子供だけは絶対に作れない」
「わかった。」

「それからもうひとつ。もし、コウに好きな女性ができたら・・・」

「そんなこと、絶対に・・・」

「キチンと聞いて。コウが今、わたしを愛してるのはわかってる。でも、もし将来そんな女性が現れたら、迷わずその女性のところに行ってほしい」

「そんなこと、あり得ない」

「そうよね。信じてる」

その時、ママの瞳に浮かんだ翳りを、僕は理解することはできなかった。

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