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ママ、愛してる

第3章 愛の暮らし

夕食までにお風呂に入ることにした。

部屋には小さな露天風呂が付いていて、街を見ながら入浴できる。

いつもマンションのユニットバスなので、二人ともテンションが上がる。

「コウ、今夜はお風呂では大人しくね」
「どうして?」
「だって、声がお隣に聞こえたら大変じゃない」

ともあれ、2人で入ることにする。

まだ新しい風呂桶は、檜の香りが心地よい。

ママに釘を刺されたので、大人しくお湯に浸かる。
少し遅れて、ママも入ってきた。

「気持ちいいね」
ママがくつろいだ表情で言う。
ママと並んでお湯につかり、僕も深呼吸した。

「そうだね。僕、露天風呂って初めて。ホントにいいお湯だね」

本当に、こんなにゆったりできたのは、何年ぶりだろう。

5年前から、ママとお風呂に入らなくなって、それでもママが愛しくて、ママの幻ばかり必死で追いかけてきた。

生まれて初めて、たったひとり愛した女性が実の母親だなんて・・・。

自分の母親を女として見るなんてあり得ない。

誰もがそう思う。

でも、愛してしまったんだから、どうしようもない。

好きになったひとが、せめて由香ちゃんだったら・・・
そんな失礼な妄想をしたこともあった。

いろいろな出来事を思い出しながら、隣のママを見る。

それにしても

ママは本当に綺麗だ。

こうしてママと一緒に居られる幸せをかみしめた。




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