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ママ、愛してる

第3章 愛の暮らし

翌朝、僕は早くに目が覚めた。

昨夜は、さすがに疲れていたようで、露天風呂から上がるとすぐに床に入った。

「コウ、腕まくら」

ママが甘えた声で訴え、僕の右腕に頭をのせてくる。

「さっきは、ごめんね。泣いたりして。
でも、わたしはコウにこうしていられるのが、とっても幸せよ。そりゃあ、世の中のルールでは許されないことだとわかってる。
でも、いちばん愛してる人に抱かれる以上に、幸せなことなんてないわ」

「ママ・・・。僕だって、同じ気持ちだよ。
今までずっと、好きで好きでたまらなかった人と、こうして結ばれた。
初めての夜、ママが言ったように、地獄に堕ちてもかまわないよ」

腕の中のママを、思い切り抱きしめながら言った。

「それにしても・・・」

僕に抱きしめられたまま、ママが言う。

「何だか不思議。
15年前に、ママの中から生まれてきて、おっぱい飲ませて育ててきて・・・
オムツを代えたり、熱を出した時は気が変になりそうな位心配して、夜中にお医者さんを叩き起こしたり」

「うん。感謝してる」

「感謝なんて要らないわ。それがわたしの幸せだったんだから。
でも、そうやって育ててきたコウに、こうして抱かれてる。毎日コウのアレを、コウが生まれてきたところで受け入れてるって、
本当に不思議」

ママは続ける。

「不思議だけど、幸せ。わたしは井戸端会議するようなママ友はいないから、他のお母さんたちはどうかわからないけど、
立派になった息子を欲しいなんて思わないのかな?
それとも、息子が母親を女として見ないから、想像も出来ないのかな?
わたしは、コウがわたしの下着で自分を慰めてるって知った時、本当は嬉しかった。
自分を女として感じてくれてるって」

そして、ママは僕の腕の中で小さな寝息をたて始めた。

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