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ママ、愛してる

第3章 愛の暮らし

しばらく繋がったままで余韻に浸っていると、部屋をノックする音が聞こえた。

「はあい」

ママが少し震える声で応える。

「お食事の用意が出来ましたので、お布団を上げさせていただきます」

「すっかり忘れてた。もうそんな時間なのね」

二人とも、あわてて全裸の上に浴衣を羽織った。

「お願いします」

廊下で待つ、まだ幼さの残る仲井さんを招き入れて、僕たちは街並みが見える広縁の椅子に座った。

「コウ、お布団に何か付いてなかったかしら?」
ママが不安そうに耳元で囁く。

「何かって?」
僕はわかっているけれど、ママに聞き返した。

「もう!いじわる」

ママが唇を尖らせた。


そんな僕たちに目もくれず、仲井さんはテキパキと布団を上げて、座卓をセットする。

「お待たせしました。こちらへどうぞ。お食事、すぐにお持ちしますね」

焼き魚、玉子焼きなどの定番に、一人鍋まで付いた豪華な朝食が並べられ、
「どうぞごゆっくり」
と言って、仲井さんは帰っていった。

食事を楽しみながら、ママが言う。

「かわいい仲井さんだったわね」

「そうかなあ?ずいぶん若くて、仲井さんらしくない人だとは思ったけど。仲井さんて、なんとなくオバサンってイメージあるから」

「わたしみたいに?」

「ママは別だよ。ママは、僕の女神様なんだから」

「でも、もうアラフォーなのよ」

「そんなの関係ないよ。ママは僕のママだけど、たったひとりの恋人なんだから」

「ホント?うれしい」

ママは僕の前に唇を付き出す。
唇を重ねると、ママの咀嚼したものが僕の口に流し込まれる。

「美味しい」

それを飲み込んで、僕は微笑んだ。





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