ママ、愛してる
第4章 由香
考えてみれば、中学の頃の日常とは、勉強する場所が喫茶店の片隅から、自宅に変わっただけで、それほど変わってはいなかった。
ただ変わったのは、勉強の密度と、テレビを観て過ごす時間が、ママとの愛を確かめる時間になった事だろう。
それ以外には、喫茶店の定休である日曜日、
時折、由香がうちに遊びに来るようになった事。
ママは、
「日曜日くらい、彼氏とデートでもしたら」
などと由香をからかっているが、まんざらでもなさそうだ。
僕も最初は、ママとの時間を邪魔されるように感じていたが、
今ではずいぶん心を許している。
全然知らなかったのだけど、由香の通う大学は僕も志望校に考えている学校で、わからない所を教えてもらったり、勉強のやり方を相談している。
ただ、ママとの事は、当然彼女には秘密にしている。
ゴールデンウィークに遊びに来て、由香が勉強をみてくれているとき、僕に言った。
「幸介君、そろそろ、由香ちゃんって呼び方、変えてくれない。あたしももう21歳だしさあ」
「うーん、じゃあ、由香さん?」
僕が言うと、
「堅いなあ。由香で良いよ。あたしも幸介って呼ぶから。ま、姉弟みたいなものだから、良いでしょ?」
ママも、二人の話を聞いて笑っていた。
ただ変わったのは、勉強の密度と、テレビを観て過ごす時間が、ママとの愛を確かめる時間になった事だろう。
それ以外には、喫茶店の定休である日曜日、
時折、由香がうちに遊びに来るようになった事。
ママは、
「日曜日くらい、彼氏とデートでもしたら」
などと由香をからかっているが、まんざらでもなさそうだ。
僕も最初は、ママとの時間を邪魔されるように感じていたが、
今ではずいぶん心を許している。
全然知らなかったのだけど、由香の通う大学は僕も志望校に考えている学校で、わからない所を教えてもらったり、勉強のやり方を相談している。
ただ、ママとの事は、当然彼女には秘密にしている。
ゴールデンウィークに遊びに来て、由香が勉強をみてくれているとき、僕に言った。
「幸介君、そろそろ、由香ちゃんって呼び方、変えてくれない。あたしももう21歳だしさあ」
「うーん、じゃあ、由香さん?」
僕が言うと、
「堅いなあ。由香で良いよ。あたしも幸介って呼ぶから。ま、姉弟みたいなものだから、良いでしょ?」
ママも、二人の話を聞いて笑っていた。