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ママ、愛してる

第5章 瀬戸内

朝食のあと、ぼくは海岸に出てみる。


瀬戸内の穏やかな海が、夏の陽に輝いてまぶしい。
子供の頃の記憶を頼りに、浜辺を歩く。

ママに連れられて、貝殻集めをした記憶が蘇る。

灯台に続く堤防を歩く。

釣り人が残して行った釣り針やテグスを拾い、テトラポッドに張り付いた貝を取ってエサにして、釣りの真似事をした。

せっかく釣り上げた小さな魚を、また海に戻していたママ。

思えば、あの頃からママに恋していたのかな。


堤防に腰かけて、ママと愛し合うようになってからの数ヶ月を思い返す。


自分の性欲を意識し初めてから、その対象は常にママだった。
ママの優しい顔や、お風呂でみるママの白い肌、乳房の膨らみを思い浮かべながら、固くなったものを慰め続けた。
ママのパンティを嗅ぎながら、秘密の部分に想像を巡らせた。

これって、やっぱり愛なのか?

ママが僕を受け入れてくれた日から、
ママの膣にペニスを入れることが、愛情表現の全てだと信じて、
毎日何度も交わった。

同級生たちが、容姿端麗なクラスの女の子やアイドル、女優を妄想してオナニーに耽るのをいつも聞かされていた。

確かに可愛いと思う女の子もいたけれど、
ただそれだけで、ママ以外の女性で勃起することはなかった。

それは、ママを愛していると言うことなのか、
それとも他の女性が僕を受け入れてくれる、
つまり勃起したおちんちんを愛撫したり、セックスさせてくれると思えなかったから、ママの優しさに逃避していたのか。

恋愛経験のない僕にはわからなかった。




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